犬や猫を飼っている方ならまず知っているであろうペット保険の大手アニコム。我が家も加入しています。
そのアニコムが石川県白山市に国際ビジネス学院と連携し『しっぽの郷』という名の保護施設をオープンさせる。ここまでは良かったのですが、この施設2階建てで1階は犬・猫の保護施設に加え触れ合いコーナー、ドックカフェなど。問題は2階が生体の繁殖・販売施設・・・って事ですね。
保護施設と繁殖・販売施設。この一見すると相反する機能が同じ施設内にある。で、その件に関して芸能人であり公益財団法人Evaの杉本彩代表が抗議を入れる。これで炎上しています。そのツイートがこちら
企業として、本当に動物愛護に貢献する姿勢があるならば、自ら問題を作り出すような犬の繁殖ビジネスに参入すべきではない!!
なぜなら、ペットの過剰な供給を止めること、これがペット事業者の現状の問題解決に一番求められていることだから。詳しくは→https://t.co/ild7ZBcwMK#アニコム pic.twitter.com/WMo9xSK5xa— 杉本彩 (@aya_sugimoto719) July 15, 2022
この件に関して炎上した経緯、そしてネットの意見を見ていきましょう。
目次
アニコムの保護施設の2階が生体繁殖・販売施設で炎上した経緯
まず発端は先ほど杉本彩氏のツイートからです。杉本彩氏の主張としては『動物愛護に貢献する姿勢があるならば自ら問題を作り出すような繁殖ビジネスに参入すべきではない!!』ですね。
影響力の高い杉本彩氏のこのツイート内容は瞬く間に拡散。多くの動物愛護者に賛同を得る一方で杉本彩氏の発言に否定的な意見も。このツイートがきっかけで多くの抗議がアニコムに寄せられるようになりました。
これに対して杉本彩氏はツイートでこう述べています。
アニコムが犬の繁殖事業に参入する件。現状のペット繁殖・販売ビジネスにおける問題を考えると危惧することがいくつもあるので対話の場を申入れました。現在多くの抗議がアニコムに寄せられているようなので対話が終わるまではひとまず抗議電話やメールを控えていただきますようお願いします🙏 pic.twitter.com/Cz4LGhAjOJ
— 杉本彩 (@aya_sugimoto719) July 16, 2022
対話の場を申し入れしたのでひとまずは抗議電話・メールは控えて欲しい。
私自身Twitterのアカウントは持っており、当然ながらペット関係の情報を投稿しています。なので分かりますが動物愛護系ジャンルは可燃性が高い・・・つまり炎上しやすい。今回は特に影響力が高い芸能人が関わっているので尚更ですね。
これは非常に難しい問題で、確かに『保護施設』と『繁殖・販売施設』は相反するようにも思える。しかし冷静に考えると真に動物愛護の事を考えての話であれば共存できるような気も。その辺の話は後にするとして、まずはTwitter上でこの件に関して多く見る意見を紹介してみましょう。
アニコムの繁殖・販売施設に対するTwitter上での意見を紹介
ではまずこの件に関して動物愛護者側の意見を見てみましょう。
アニコムの生体繁殖・販売施に対して否定的な意見
保護施設の中に繁殖・販売施設なんてあり得ない。結局は金儲け。アニコムにはガッカリ
否定的な意見をまとめるとこんな感じ。アニコムの保険に加入しているが解約しようか、って声も聞かれます。
これに対して確かに繁殖、そして販売するのであれば必ず発生するのは『通常販売できない生体』ですね。先天的な病気や奇形など。それをどう扱うのか??1階の保護施設送りにするのでは??あとは繁殖引退犬・猫もそうですよね。
さらに言えば通常の生体販売はもちろん、保護施設で引き取る場合もアニコムへの加入が条件になるのでは??
今って大手のペットショップは必ずと言ってほどペット保険会社と提携しています。生体販売と同時に保険加入もセット。これを全て自前で行うのであれば利益率は大幅にアップする。これは容易に想像できますよね。
保険会社が自ら被保険対象を増やすのは如何なものか、ってのはあります。ただそれを抜きにすればビジネスとしてよく考えられていると思います。
では逆に杉本彩氏の意見に否定的な意見も紹介しておきましょう。
杉本彩氏のツイート内容に対して否定的な意見
繁殖ビジネス自体は合法。何も悪い事ではない。アニコムからしたら迷惑行為。杉本彩氏自身が拡散させておいて抗議電話やメールを控えるよう、って一体何様なのか?営業妨害でしょ。
繁殖・保護施設に賛成、って内容の意見ではありませんが、杉本彩氏の発言、行動には否定的な意見も多く見られます。ざっくりまとめるとこんな感じですね。
公益財団法人の代表、しかも芸能人という影響力のある立場の人間がTwitterを使って情報を拡散すればどうなるかは容易に想像ができます。アニコムの繁殖・販売施設が良いか悪いかは別にして、公益財団法人って税制上かなり優遇されていますからね!その立場で民間企業を攻撃するってのはどうなのか?芸能人なので信者的な人も集まりますしね。
よくペットショップの生体販売に対して否定的な動画をYouTubeにアップしていますけど・・・あれも個人的にはちょっと疑問。確かに生体販売については考えるべき問題だと思います。ただ一部の悪質なペットショップやブリーダーの見るに耐えないような映像を流して批判する。
ペットショップの店員さんはあれ見てどう思いますかね?良い飼い主とお迎えされるように、って本気で想っている動物好きの店員さんもいますよ?ペットショップ店員が親の子供があーいう動画を見たらどう思うか??
一般人が個人の主張をするのはどうでも良いです。ただ公益法人+芸能人、そうなると話は違うのではないでしょうか。
アニコムの繁殖・販売施設には希望の光もあると思っている。その理由を紹介しておく
これは個人的な意見なのですが、アニコムの繁殖・販売施設には良い面もあると思うのですよ。
まず今の生体販売に関する問題点って
- 悪質なブリーダーの存在
- ブリーダー→ペットショップの流通過程での斃死
細かく言えばもっとありますが、ざっくりこの2つじゃないですか?まずは繁殖屋とも呼ばれる悪質なブリーダー問題ですよね。アニコムという資本力がある企業ならさすがに繁殖環境はしっかりしているはず。東証1部上場企業ですし、変な事はできません。
そして流通過程での斃死問題。実はこれかなり大きな問題で、ペットショップで販売されている犬、猫の多くは繁殖業者→セリ市(オークション)→ペットショップ→飼い主。このような流通過程を経て飼い主にお迎えされています。
生後間もない仔犬・子猫なので環境の変化、ストレスに弱い。なので流通過程で死んでしまう。ちょっと古い数字で申し訳ないのですが朝日新聞が『犬猫等販売業者定期報告届出書』というものを全国の自治体から回収。集計して流通過程での犬・猫の死亡数を集計した記事を出しています。それによると2016年だと犬は1万8,687匹が流通過程で死んでいます。ちなみにこの数には死産は含まれておらず、あくまでも流通過程で死んだ数です。
では犬の殺処分数はどうかと言うと・・・2020年の環境省が発表しているもので4,059頭。
流通過程で死んでしまう方が圧倒的に多いんですよね。数の問題ではありませんが、どうも殺処分がフォーカスされる傾向ありますが、この流通過程死は非常に大きな問題。
ではアニコム→飼い主だとブリーダーから直接購入するのと同じなので流通過程がない。この方式が一般的になれば流通過程で死んでしまう犬・猫を減らしていける・・・かもしれない。
きちんと管理された繁殖場で流通過程が大幅に減る。そうなると結果的に不幸な犬・猫の数は減る。その可能性はあるのでは?そうも感じます。
単純に繁殖して生体販売、保険を紐付けて金儲け・・・そんな感じだと動物愛護団体に叩かれるのは明白ですし、企業イメージも損なわれる。アニコムって保険会社じゃないですか?その辺のリスク管理はしっかりしている気がするんですよね。
杉本彩氏の行動に対して、まだアニコム側の回答はないようですが、対話の場が儲けられるのであれば内容が気になるところ。一動物を愛するものとして今後どうなるか注目していこうと思っています。
では今回はこの辺で。また何か新たな情報あれば追記していきますね。