今回はドックフードで多くの飼い主さんが抱いている疑問について。それはネット上でのドックフードの『ステマ』問題ですね!
例えば『ドックフード オススメ』とかで検索すると似たようなランキングサイトがいっぱい出てきますよね?そしてランキング上位のドックフードはだいたい同じもの。具体的には『モグワン』、『カナガン』、『このこごはん』、この辺りが上位を占めています。
特にモグワンの勢いは凄い。謎のランキングサイトではだいたい1位。最近ではテレビCMも流れています。
ここまで広告色が強いと・・・ステマだろ。って思う訳ですよ。確かにそれもある。が、悪いものなのかと言えばそうとも言えない。
私はこの『わんこブログ』を運営しています。そして会社員として飼料メーカーに勤めて10年以上配合設計やっていました。もちろんペット関連も携わった事あります。『ブログ運営×配合設計の実務』経験があるので、なぜこんな構図になるのか?それがわかるんですよね。
なので今回はこの『モグワン』を例にして、ドックフードの闇の部分を分かりやすく説明していきます。
目次
ネット上でドックフードのステマが多いのは事実|どうやってステマをやっているか??
まず結論から言うとドックフードのジャンルでステマが多いのは事実です。一応ステマが何かを説明しておくと・・・
ステマ
ステルスマーケティングの略。消費者に広告と明示せず宣伝と気づかれないように商品を広告・宣伝する事。芸能人やインフルエンサーがステマをして問題になる事が多い
つまりは広告。そして広告しているって事は当然ながら報酬が発生します。ブログの世界では『アフェリエイト』ですね。企業に代わって商品をサイト上で紹介。売れたら報酬が発生するのがアフェリエイトなのですが・・・ドックフードはこの報酬額がでかい。つまり儲かるからステマやっている人が多い。
ただ別にどんなドックフードであろうが『実際に自分の愛犬に与えていて良い』、そう本気で思っているのであれば理解できますが、ドックフードの場合、実際には愛犬には与えていない(そもそも犬飼っていない)場合も多々あります。
なぜそんな事が可能なのか?答えは簡単で写真を買うんですよ。
今の時代、クラウドソーシングという働き方があります。クラウドワークスなどが有名ですが、そこでペットの画像や動画は普通に売買されます。例えばこんな案件
あなたの愛犬が『モグワン』を食べている画像を買い取ります。スマホでOK。横向きで5枚500円。
とかね。私はこのサイト(わんこブログ)を運営していますが、たまにウェブライターの仕事をクラウドワークスで受けたりもします。モグワンに限らずドックフードのこういった案件はしょっちゅう見かけます。
ではこの画像を何に使っているか?運営するサイトで使用して読者の信頼性を上げるんですよ。ネットでは様々なレビュー記事ありますが、実際に使用しているレビュー記事の方が信頼性あるでしょ?
あと実際に使用する事を『一次情報』と表現したりしますが、一次情報がある方がGoogleに評価されやすく、検索時に上位表示されます。この検索時に上位表示させる手法をSEOと言いますが、謎のランキングサイトの運営者って『ドックフードに詳しい人』ではなく、『SEOがめちゃくちゃ上手い人』なんですよ。
なぜステマが多いのか?だいたい雰囲気が掴めてきたかと思います。ではなぜドックフードの広告による報酬が高額なのか?そこを解説していきましょう!
ドックフードの原価って実はそんなに高くない|利益率が高いので広告費に使える
これ多分多くの飼い主さんが知らない事ですが・・・
実はドックフードの原価ってそんなに高くありません。原価に対して売値が高い。つまり利益率が多い、って事です。
分かりやすいようモグワンを例にして解説していきますね。モグワンの原材料はこちらですが・・・
モグワン原料表示
チキン&サーモン56%(チキン生肉21%、生サーモン12%、乾燥チキン12%、乾燥サーモン7%、チキングレイビー2%、サーモンオイル2%)、サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ココナッツオイル、バナナ、リンゴ、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ショウガ、アスパラガス、パパイヤ、グルコサミン、メチルスルフォニルメタン(MSM)、コンドロイチン、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、ヨウ素)、ビタミン類(A、D3、E)、乳酸菌
まずドックフードの原材料で一番高いものは『動物性タンパク源』です。モグワンの場合だとチキンとサーモンですね。ちなみに動物タンパク源は鶏・豚・牛・魚、、、と色々ありますが、鶏が一番安いです。(鶏肉が悪いと言う意味ではなく、単純に原価が安い)
モグワンだと『チキン&サーモン56%』と表示されていますが、しっかり見るとチキン類の配合割合は56%中42%ですよね?残りの14%がサーモンです。ほとんどチキンです。魚は高いですからね。
では良くヒューマングレードとか言いますが、人間の食べる鶏肉っていくらです??Amazonだと国産の胸肉720円/kgくらいで売っています。じゃあモグワンの価格は??定期購入にしたら安くなりますが、通常単価だと2,811円/kg。(送料込)。定期購入でMAX割引しても1,935円/kgです。
モグワン価格表
通常価格(1.8kg) | 定期購入 1個 | 2個以上 | 6個以上 |
4,356円(税込) | 3,920円(税込) 10%オフ | 3,702円(税込) 15%オフ | 3,484円(税込) 20%オフ |
送料:704円(税込) | 送料:704円(税込) | 送料:704円 ※3個〜は送料無料 | 送料:無料 |
めっちゃ高いと思いません??
もちろんドックフードは原料費に加え加工賃、放送資材費、広告宣伝費など他にもコストは掛かります。ですがそこまで高くはならない。
つまりね・・・利益率が高いんですよ。だから広告宣伝費にお金を掛けられる。その広告宣伝費がどこに支払われれいるか?そう、ネット上にあるドックフードランキングサイトですね!
で、こういう風に書くと『モグワン』が割高・・・そう感じてしまいますが、ここにも裏があって、実はモグワンは価格面では良心的。他のドックフードの方がよっぽど利益率高い。まあこれは後で詳しく解説します。
実はドックフードの原価はそこまで高いない。これを覚えておいて下さい。
ちなみに犬や猫って愛玩動物ですが、鶏・豚・牛・魚などの畜産、養殖は経済動物と呼ばれます。経済動物でも基本的にはドックフードと同じような感じで餌を作られています。で、そんな経済動物の中で圧倒的に原料費が高い餌ってなんだと思いますか??
答えは養殖魚の餌です。はっきり言ってドックフードより断然原料良いもの使っています。原料のほとんどは『魚』ですからね!そしてそんな養殖魚の中でも『うなぎ』とかはめちゃくちゃ高い。悪い魚粉じゃ上手く飼育できないんですよ。タイとかハマチは誤魔化せますけどね。
じゃあ『うなぎ』の餌ってkg単価いくらくらいだと思います?餌の原料はほとんど魚。しかもかなりグレードの高い(アジとかが主原料)のものが60%〜70%くらい配合されています。
答えは・・・400円/kgくらい。
ネットでボロクソに叩かれているトウモロコシいっぱい入ったドックフードって300円/kgくらいです。
まあ経済動物の世界は包装資材なんかは利便性のみ。デザインとかは何でも良いですし、もちろん広告費もほぼない。薄利多売の世界なので一概には比較できませんが、いかにドックフードの利益率が高いか。それを感じる事ができたのではないでしょか?
またさらにドックフードには広告向きな要素があります。これもステマが横行する理由です。次はそれを解説していきますね。
ドックフードの定期購入は『サブスク』なので少々広告費高く設定しても問題ない
モグワンをはじめネットのランキングサイトで上位のものは基本『定期購入』をプッシュしてきます。定期購入、、、つまりサブスクですね!
サブスクはビジネスとして非常に美味しい。だって一度契約してしまえばそんな簡単に解約しないじゃないですか?企業サイドとしてもどれだけ売上・利益が発生するか把握しやすいですしね。
ドックフードなんて特にそうで、わんこが特に問題なさそうであれば他のものに切り替える、って事は滅多にありませんよね??しかも先ほど説明したように利益率の高いドックフード。高額な広告費(アフェリエイト報酬)を支払っても問題ないんですよ。
だから『定期購入』があるドックフードがランキング上位になっています。『モグワン』、『カナガン』、『このこごはん』どれも定期購入あるでしょ??
もちろんサブスクは消費者サイドにとっても『安くなる』ってメリットはあります。ただドックフードはこのような構図がある、ってのを知っておいた方が良いかもですね。
ではドックフードの広告(アフィリエイト)は悪なのか?そうとも言えない理由
ここが難しい所で、『モグワン』、『カナガン』、『このこごはん』などランキングサイトで上位を占めているドックフードが悪いものなのか?って言われるとそうとも言えない。
これは私自身ブログ運営しているので分かりますが、いくら報酬額が高くても商品自体がクソなら売れません。そりゃゴミみたいな商品でも単発で売れる可能性はもちろんありますよ?でもモグワンほどは売れない。
なんでモグワンがここまで売れているか?これ配合設計のプロである私から見ても、結構良い配合設計なんですよ。おそらく同一価格帯のドックフードだと一番コスパ良い。あと原料表示もかなり詳細に公開されているので信頼性もある。実は個人的にモグワンはかなり評価高い。
ドックフードの利益率が全体的に高い、ってだけで『モグワン』に関してはその利益率を広告宣伝費にかなり使っている。そして同スペックのドックフードと比べれば間違いなく安い。
広告宣伝費使って薄利多売の戦略なんだと思います。これがうまくハマっている。だから売れている。
広告について賛否両論はあります。ただ広告自体は悪って訳じゃない。例えば何か買う時に『価格ドットコム』とか見ませんか?あれもアフェリエイトですからね?消費者にとってめっちゃ役立ちますが、あれだってドックフードのステマ連中がやっているのと同じアフェリエイトです。
化粧品とかだってそう。SK-2とかめちゃくちゃ評価高いと思いますが、インフルエンサーとか芸能人ゴリゴリ起用してとんでもない広告費使っていますよね。でも商品は良いでしょ?
またドックフードに関してはアフェリエイトが発生するの仕方ない、ってのもあります。こだわった原料を使用、徹底した品質管理をして良いドックフードを作ったとしても、売れないと商売にならないじゃないですか??
テレビCMなどは広告流すだけで費用が発生しますし、広告費も莫大。小さなメーカーだと無理です。一方でアフェリエイトは商品を紹介しているウェブサイト経由で売れなきゃ広告費を支払う必要はない。つまり成果報酬型の広告形態なんですよね。良い商品を販売している中小メーカーにとってアフェリエイトは相性が良い広告形態でもあります。
ドックフードで問題なのは『広告』自体が問題なのではなく、間違った情報や不安を煽る手法が問題です。サイトによっては4Dミートに車に轢かれた犬や猫を使っているかもしれない・・・とかもはや都市伝説みたいな事平気で言っていますからね・・・(笑)
『何が入っているかわからない原料のドックフードを愛犬に与えるの?安全なドックフードはモグワン!!』みたいなね。
ちなみにチキンミールなど〇〇ミールをよくドックフードランキングサイトではダメな原料としていますが、あれらは危険なものじゃありません。チキンミールだと人間が食べないトサカや足を使っている・・・とか何やら・・・
いや、食べにくいだけで食べたら美味しいですからね!!笑
私は仕事として〇〇ミールを生産する工場に出入りする事もありました。試しに食べた事もありますが、結構美味しい。こういう〇〇ミールはレンダリング原料と言いますが、資源の再利用で非常に重要な産業です。
〇〇ミール系はドックフードはもちろんですが、畜産・養殖業界ではめっちゃ使っている。経済動物の世界は飼育成績がモロ収益に直結します。もし何か安全性に問題あるのであれば大事です。
〇〇ミールは安全性が問題じゃなくて、肉の部分が少ないのでタンパク値が低いってだけです。あとはイメージの問題。
最後にドックフードにステマが多い問題をまとめると・・・
今回はモグワンを例にドックフードにステマが多い問題を解説してみました。謎のドックフードランキングサイトが乱立している理由がわかったでしょうか??
最後に内容をまとめておくと・・・
- ドックフードのランキング・レビューサイトのステマが多いのは事実
- ステマが多いのはドックフードのアフェリエイト報酬が高額だから
- アフェリエイト報酬が高額なのはドックフードの利益率が高い事と定期購入が要因
- ただモグワンに関しては悪いものではない。むしろ高評価できる点も多い
- 広告(アフェリエイト)自体は悪ではない。ただ間違った情報も多いのでネットの情報を鵜呑みにしてはいけない
ざっくりとこんな感じ。
一応言っておくと私自身アフィリエイトしています。ドックフードに関しても広告出しています。ただ何度も言っていますが、ドックフードのアフェリエイト報酬は高額。そういうジャンルにはネットの世界の猛者がウヨウヨしているしている訳で・・・
滅多に売れませんけどね!!笑
ちなみにプロ目線で安全性、スペック、製造方法、全てにおいて評価できるドックフードは何か?個人的には『金虎 おさかな』が一押しです。『モグワン』、『カナガン』、『このこごはん』このあたりも内容的には良いが、定期購入への誘導が強め、ってのがちょっと・・・って感じですかね(笑)
とは言え定期購入も買い忘れの心配ないですし、安くはなる。元々定期購入で良いドックフードはないかな?って探している飼い主さんはモグワンは全然ありだと思いますよ!使ってみてイマイチに感じたら解約したら良いだけですしね。(モグワンの場合、お届け日の7日前までに連絡すれば解約O.K)
『金虎のおさかな』については別記事で詳しく紹介していますので、興味がある方は読んでみて下さい。