自分の愛犬にどのドックフードが良いのか?ほとんどの飼い主さんは悩んだ事があるはずです。ドックフードには安いものから高いものまでありますよね?安いものだと300円/kgくらいから。プレミアムドックフードと呼ばれる高級なものは3,000円以上/kgと価格帯はかなり差があります。
では高いから良いのか?もちろん高いと良い原料を使っている率は高くなるのは当然なのですが、じゃあその価格は妥当なのか・・・?
これって基本的に普通の飼い主さんにはわからないんですよね。私は飼料メーカーに約10年ほど勤めていたので、成分表示表は嫌というほど見ています。原料も見ればどんなものかはだいたい想像がつく。
そんな私でも価格帯は妥当なのかは基本わからない。理由は簡単でドックフードって配合割合を記載する義務がないんですよね。ドックフードの成分表示表は多く配合されているものから順に記載すルールはあります。
ですが各原料が何%配合されているかまでは表示する義務はなく、メーカー側に任されています。
そんな中、今回紹介するオリジン(orijen)ですが、何が凄いって成分表示表に割合まで記載されている。プレミアムフードの中でも珍しい。良い製品を作っているという自信が感じられます。
プレミアムフードはネット限定のものも多く、なんか怪しい・・・そう思われる方も多いのではないでしょうか?大きな声では言いにくいですが、それは正しい。内容が悪い、って訳ではなく価格が高すぎる(広告費の割合多すぎ)。
オリジンは一般のペットショップにも売っているプレミアムドックフードなので気になっている方も多いはず。今回はそんなオリジンを飼料メーカーに勤めていたプロの目線で解説して行こうかと思います。
目次
オリジン(ORIJEN)に含まれる動物タンパク源は驚異の85〜90%|成分表示表が凄い
ドックフードの価格(原価)で最も高いものは動物性タンパク源となるもの。つまりは肉類や魚となります。冒頭にも少し言いましたが、ドックフードの成分表示表は原料割合の多いものから順に記載するルールがあります。
ここでわかりやすいよう商品名は伏せますが、300円/kgくらいの安いドックフードの成分表示表を見てみると・・・
安いドックフード
穀類(トウモロコシ、小麦ふすま、脱脂米糠、コーングルテンフィード)、肉類(牛肉粉、チキンミール、豚肉粉、チキンレバーパウダー)、豆類(脱脂大豆、おから粉末、大豆粉末)、油脂類(動物性油脂)・・・・・・
成分表示表の一部ですがこんな感じ。つまり一番最初に記載されている穀類が最も多く配合されているという事です。そしてそれが何%配合されているかはわからない。
では一般的なドックフード。1,000円/kgくらいのもの成分表示表はどんな感じか?これも商品名は伏せますが紹介すると・・・
一般的なドックフード
チキン生肉、乾燥チキン、玄米、粗挽き米、米糠、オートミール、鶏脂、エンドウタンパク、タンパク加水分解物、ビートパルプ、ひまわり油・・・
これだとチキン生肉が一番最初に記載されているので、これが一番多く配合されているとわかります。でもそれが何%なのかまではわからない。
じゃあオリジンはどうなのか?オリジンはいくつかの商品ラインナップがありますが、一番スタンダードなオリジンオリジナルの成分表示表を紹介すると・・・
オリジンオリジナル
新鮮鶏肉(13%), 新鮮七面鳥肉(7%), 新鮮全卵(7%), 新鮮鶏レバー(6%), 新鮮丸ごとニシン(6%), 新鮮丸ごとカレイ(5%), 新鮮七面鳥レバー(5%), 新鮮鶏ネック(4%), 新鮮鶏心臓(4%), 新鮮七面鳥心臓(4%), ディハイドレート鶏肉(4%), ディハイドレート七面鳥肉(4%), ディハイドレート丸ごとサバ(4%), ディハイドレート丸ごとイワシ(4%), ディハイドレート丸ごとニシン(4%), 丸ごと赤レンズ豆, 丸ごと緑レンズ豆, 丸ごとグリーンピース, レンズ豆繊維, 丸ごとヒヨコ豆, 丸ごとイエローピース,・・・・
これは成分表示表の一部ですが、何が何%入っているかまできっちり表示されています。
もちろんプレミアムドックフードの中にはオリジンと同じように各原料の配合割合まできっちり記載されているものも多い。ただじゃあ『チキン』と表示されていてもそのチキンはどういうものなの??その辺りまで踏み込むと情報が怪しいものも多い・・・
成分表示表を見るのって難しいかと思いますが、何が何%配合されているかきっちり記載されている。こういうドックフードは原料にこだわっており、高品質なものが多い。これは覚えておいて下さい。
オリジン(ORIJEN)の製造工程、特に肉類の乾燥方法が凄い
ドックフードの製造工程には必ず水分を飛ばす乾燥工程があります。乾燥させないと腐ってしまいますからね・・・
で、一般的にはこの乾燥工程って熱処理によって乾燥させます。それが一番コスト安いからです。ただこれには1つ問題があってですね・・・それがタンパク質の変性です。タンパク質ってのは熱に弱い性質があるので、熱処理工程で変性して劣化してしまう。これで品質が落ちます。
オリジンの凄いところはこの乾燥工程が低温空気乾燥にて行われているという点。これ凄いと思いますよ。めっちゃ加工賃高くつくと思います。一般的な製造方法の工場だと熱と蒸気でクソ暑いんですよね・・・オリジンの工場は低温乾燥しているので工場で働いている人がめっちゃ厚着しています。プロ目線で見るとこれってかなり驚くべき事なんですよ。
オリジンを製造しているカナダのチャンピオンフーズ社はYouTubeで工場内部を公開していますが、設備・品質管理・製造工程、これが異常な高さというのがわかります。
海外製ドックフードは海外Amazonのレビューを見るべき。オリジンの場合は??
これ結構オススメの方法なのですが、プレミアムドックフードって海外製のものが多いじゃないですか?やたらとネットで高評価されているけどステマパターンはかなりあります。ではそれってどう判断するか??
製造国のAmazonのレビューを見る!!
オリジンで言えばカナダ製なのでカナダAmazonですね。内容何書いているかまでは見なくても良いですが、レビューの数と評価の高さだけ気にすれば良いです。
本当に良い商品だったら当然ながら製造国での評価も高いはずじゃないですか??これネットの世界だと結構あるあるなんですが、製造国では大して評価されていないドックフードを日本に輸入する。そして広告費使ってドックフードのランキングサイトなどで上位表示してもらう。
製造国のAmazonレビューを見ると・・・そもそも評価自体が全くされていない・・・とかね(笑)
ではオリジンの場合はどうなのか?安心して下さい。めっちゃ評価高いです。興味がある方はAmazonのカナダサイトで『dog food origin』とかで検索してみて下さい。
オリジン(ORIJEN)が合うのはどんな犬種か?結論:運動量の多い犬種・活発な犬
ではオリジンが合うのはどんな犬種なのか?今までオリジンの良い事ばかり書いていますが、全ての犬種に合うって訳じゃありません。犬は犬種によっても運動量違ってきますし、同一犬種であっても性格も異なります。また飼育環境も違うでしょう。
つまり全ての犬に合うドックフードなんてものはない。
オリジンもそうで、オリジンは商品のコンセプトが『犬は肉食であり、炭水化物を極力減らす』です。肉・魚の配合割合が85%〜90%と非常に高く、そうすると当然ながらタンパク質も高い。結果カロリーも高くなります。
そうなるとバクバク食べさせていると肥満の原因になるんですよね・・・
※ただし商品ラインナップには肥満傾向のある犬用に配合設計されているものもあります。
実際にオリジンの1日の給餌量ですが、活発か否かでかなり変わってきます。正規代理店に1日の給餌量が記載されているので参考まで。(一番スタンダードなオリジン オリジナルの配合設計)
現在の体重 | 活発ではない犬(1時間未満の運動) | 活発な犬(1時間以上の運動 |
5kg | 60g | 90g |
10kg | 120g | 150g |
20kg | 160g | 240g |
30kg | 240g | 330g |
40kg | 280g | 420g |
50kg | 330g | 480g |
60kg | 390g | 570g |
このようにかなり給餌量に差があるのがわかります。
飼育環境や性格によっては全然運動しない犬もいます。我が家のミニピンビビちゃんがそんな感じなのですが・・・笑
そういうタイプの犬にはここまで高タンパクなフードをあげる必要はありません。別のフードを検討すれば良いです。オリジン高いですしね。
逆にずっと動いていて、ドックランでは爆走する系の性格であれば非常に良いドックフードと言えます。我が家は3頭の多頭飼いなのですが、同じ環境で飼育していても全く性格が違う。なので与えるフードもそれぞれに合ったものを与えています。
オリジン(ORIJEN)にはどんな種類があるか?商品ラインナップの紹介
オリジンにはいくつかの種類があります。それぞれ商品コンセプトが異なるので紹介しておきますね。
オリジン オリジナル
オリジンの商品ラインナップの中でスタンダードのものが『オリジン オリジナル』となります。 使用されている原料は鶏肉、七面鳥を中心にニシンやカレイなどの魚が配合。粗たんぱく質は38 %以上とかなり高いですね。(一般的なドックフードのタンパク質は24〜25%)
特にアレルギーなどない場合、悩んだらこれで良いかと思います。
オリジン パピー用
オリジンにはパピー用もあります。犬に限らず動物はパピー期に豊富な栄養を必要としており、基本的にはパピー期の方がカロリーが高い設計になっています。成犬にパピー用のフードを与えると太ってしまいます。
オリジンでもパピー用はスタンダードのものと比べカロリー設計がやや高くなっています。
オリジン レジオナルレッドドッグ
レジオナルレッドドックは配合されている主原料が牛、猪、バイソン、ラム、イワシとなり、鶏系が配合されていません。 最近アレルギーを気にされている飼い主さん多いかと思いますが、アレルギーって特定のタンパク質に対して発症します。よくグレイン(穀物)フリーとかグルテン(小麦・ライ麦)フリーがありますが、確かにこれらはアレルギーになる傾向が高いですが、肉類だってアレルギーになる可能性はある。
鳥(チキン)がアレルギーという犬は結構多いので、そんな場合はこれを選択すれば良いです。
オリジン スモールブリード
オリジンスモールブリードは小型犬に特化した商品。他の商品も全犬種対応していますが、超小型犬などの場合は小粒タイプのこちらを選択すると良いかと思います。
配合されている原料は鶏肉、七面鳥、魚、卵、ウズラとなります。
オリジン シックスフィッシュ
オリジンシックスフィッシュは動物タンパク源が全て魚で配合設計されおり、魚に多く含まれるDHAなど不飽和脂肪酸は犬においても良い効果があるとされており、関節炎、アトピー性皮膚炎、腎不全など予防効果があると研究発表されてます。
また稀に肉類全般アレルギーって場合もあるので、そんな場合もこちらを選択すれば良いかと思います。
オリジンフィット&トリムドッグ
オリジンフィット&トリムドッグは肥満犬用にカロリーが低く設定されている商品となります。肥満傾向がある。もしくは運動を全然しないタイプにはこちらがオススメ。
使用している原料は鳥、七面鳥、卵、魚となります。
オリジン シニア用
7歳以上のシニア犬用。スタンダードのものと比べややカロリーが低めに設計されています。使用している原料は鳥、七面鳥、卵、魚。
オリジン(ORIJEN)をお得に購入する方法
最後にオリジンをお得に購入する方法ですがネットで購入する場合、正規代理店から購入するかAmazonや楽天といったサイトから購入するかの2パターンなのですが・・・
一番スタンダードなオリジン オリジナルを購入する場合はAmazonで良いと思います。理由は正規代理店より安いから。楽天セールをやっている場合などは楽天でも良いかと。
問題はオリジンオリジナル以外の商品を買う場合ですね。Amazonや楽天にはあまり売っていません。その場合は正規代理店からの購入なります。正規代理店はTRUM PETSというサイトとなるのですが、このサイトちょっと癖があってですね・・・
なぜか会員登録しないと商品が表示されないという・・・謎ですよね。普通に表示させた方が売れると思うのだが(笑)
正規代理店であれば全ての商品ラインナップ、あと容量(340g、2kg、6kg、11.4kg)が揃っています。
ちなみに会員登録しても商品買う必要はありません。正規代理店の方が各商品ラインナップの適正給餌量、成分表示表などの情報が豊富ですので、オリジン オリジナルをAmazonで買うにしても、とりあえず正規代理店で会員登録。情報だけ見てAmazonで買うのが良いかと思います。
Amazonアカウントを持っていると会員登録した後はAmazonのアカウントでログインできるので便利ですよ。
ネットのプレミアムドックフードってなんか会員登録すると無理やり定期購入に誘導する系が結構あるのですが、ここはそれがなく良心的です(笑)
ではこちらの記事があなたの愛犬へのドックフード選びに参考になれば幸いです。